日記もどきで不定期更新。
Posted by 朱美 - 2010.03.10,Wed
何の変哲もない会社のパソコン画面を眺めていると、やっぱり妄想が頭に。
だから数字が合わないんだな。
未入金も加入金も大嫌いだい。
ちょっと目を使いすぎたみたいで、頭痛酷い。
早めに寝ます。
だから数字が合わないんだな。
未入金も加入金も大嫌いだい。
ちょっと目を使いすぎたみたいで、頭痛酷い。
早めに寝ます。
*実は偉かったみたいです。
あの珍妙な出会いからどれくらい経っただろうか。
時間の流れに換算するとそれほどでもないような気がするが、すでにこうやって団子を買い与えた回数は片手の指では足りないほどにはなっているだろう。
今日もそんな非日常が日常になってきた奇妙な一日で。
「じゃあな、佐助!今回のも美味かった!」
どろん。
団子を一心不乱に食べている時などは、どこから見ても人間にしか見えないが、やはりこうやって一瞬にして目の前から消えられた時にはあのヒトが人ではなく妖怪なのだと思い知らされる。
初めはただの低級な幽霊かと思って、団子に未練がありそうだから買い与えてさくっと成仏してもらおうと思っていた。
しかし実際は幽霊ではなく妖怪で、佐助が思っているより結構長く生きているとのことらしい。
「っていっても見た目俺とそう変わんないし…、むしろ童顔っぽいし」
その上性格は猪突猛進に天真爛漫を加えたような、実に妖怪のイメージとは真逆のものだし、食の好みも実に子供っぽい。
これで何年も生きている妖怪だ、なんて言われても実感など湧くはずがない。
「しかも俺様に団子たかりにくるし…」
未成年な上に学生の身分である佐助にとって、この団子の出費は結構痛い。
「誰か他に見える奴いないのかねぇ…」
どうにかして今のこのとり憑かれているような状況から抜け出したいな、と。そんな風に思った瞬間だった。
一陣の風が吹く。
『こいつか』
『こいつか?』
『こいつだ』
『人の子だぞ』
『主の気配を微かに感じる』
『人の子…』
『人の子から』
≪人の子…?≫
ぞわり、と。
背を這うような何かが耳元で漏れ聞こえた。
これを声などと言い表すことはできない。
頭に直接響くような、すぐ耳元でささやかれるような。
吐息と一緒に、何かがこの身を浸食していってしまいそうな。
「なんだ…、あんたら」
しかも佐助には聞こえるだけではない。…見えている。
どれもこれも和装に近い服装で、なのにどこか人とは異なる姿形をしていた。
闇に溶け込むようにそれらは路地の影に佇んでいて、佐助の行く手を阻むようにゆるりと取り囲んでいる。
『あなや、我らが見えているようだ』
『なるほど、主が言っていたのはこれか』
『美味いものを食ろうたと』
『そうか美味しいモノか』
『確かに美味そうだ』
『美味そうだ』
ソレらは口々に佐助には意味のわからないことを話しているが、どうにも雲行きが怪しいような気がする。
その“美味しそう”の対象は、一体何を指している?
『けれどこれは主のものだ』
『我らでは食らえぬな』
『持って帰れば少し分けていただけるかもしれぬ』
『そうか、主はお優しい』
『持って帰れば主はきっと喜ばれる』
『喜ばれるな』
『そうか』
『ならば』
≪持ッテ帰ロウ≫
またもやぞわりと鳥肌が立った。
しかも今度は一度ではない、目の前の人ではないモノ達から断続的に発せられている。…かなり危険極まりない感じの気配が。
「ちょっ…ちょっと、待て待て待て待て!!」
嘘だろう、主ってあの団子の妖怪のことか。
子分がいるなんて聞いていないぞ。
見た目の割に、実は偉い妖怪だったのだろうか。
いやいやいや。
その前に俺様、結構やばいかも。
----------
続きが気になる、と言ってくださる方が何人かいらっしゃったので、とりあえず小ネタをちょこっと。
30分くらいで書けるだろうと思ってたのに、1時間かかりました。
予想って伸びるものですね。
あの珍妙な出会いからどれくらい経っただろうか。
時間の流れに換算するとそれほどでもないような気がするが、すでにこうやって団子を買い与えた回数は片手の指では足りないほどにはなっているだろう。
今日もそんな非日常が日常になってきた奇妙な一日で。
「じゃあな、佐助!今回のも美味かった!」
どろん。
団子を一心不乱に食べている時などは、どこから見ても人間にしか見えないが、やはりこうやって一瞬にして目の前から消えられた時にはあのヒトが人ではなく妖怪なのだと思い知らされる。
初めはただの低級な幽霊かと思って、団子に未練がありそうだから買い与えてさくっと成仏してもらおうと思っていた。
しかし実際は幽霊ではなく妖怪で、佐助が思っているより結構長く生きているとのことらしい。
「っていっても見た目俺とそう変わんないし…、むしろ童顔っぽいし」
その上性格は猪突猛進に天真爛漫を加えたような、実に妖怪のイメージとは真逆のものだし、食の好みも実に子供っぽい。
これで何年も生きている妖怪だ、なんて言われても実感など湧くはずがない。
「しかも俺様に団子たかりにくるし…」
未成年な上に学生の身分である佐助にとって、この団子の出費は結構痛い。
「誰か他に見える奴いないのかねぇ…」
どうにかして今のこのとり憑かれているような状況から抜け出したいな、と。そんな風に思った瞬間だった。
一陣の風が吹く。
『こいつか』
『こいつか?』
『こいつだ』
『人の子だぞ』
『主の気配を微かに感じる』
『人の子…』
『人の子から』
≪人の子…?≫
ぞわり、と。
背を這うような何かが耳元で漏れ聞こえた。
これを声などと言い表すことはできない。
頭に直接響くような、すぐ耳元でささやかれるような。
吐息と一緒に、何かがこの身を浸食していってしまいそうな。
「なんだ…、あんたら」
しかも佐助には聞こえるだけではない。…見えている。
どれもこれも和装に近い服装で、なのにどこか人とは異なる姿形をしていた。
闇に溶け込むようにそれらは路地の影に佇んでいて、佐助の行く手を阻むようにゆるりと取り囲んでいる。
『あなや、我らが見えているようだ』
『なるほど、主が言っていたのはこれか』
『美味いものを食ろうたと』
『そうか美味しいモノか』
『確かに美味そうだ』
『美味そうだ』
ソレらは口々に佐助には意味のわからないことを話しているが、どうにも雲行きが怪しいような気がする。
その“美味しそう”の対象は、一体何を指している?
『けれどこれは主のものだ』
『我らでは食らえぬな』
『持って帰れば少し分けていただけるかもしれぬ』
『そうか、主はお優しい』
『持って帰れば主はきっと喜ばれる』
『喜ばれるな』
『そうか』
『ならば』
≪持ッテ帰ロウ≫
またもやぞわりと鳥肌が立った。
しかも今度は一度ではない、目の前の人ではないモノ達から断続的に発せられている。…かなり危険極まりない感じの気配が。
「ちょっ…ちょっと、待て待て待て待て!!」
嘘だろう、主ってあの団子の妖怪のことか。
子分がいるなんて聞いていないぞ。
見た目の割に、実は偉い妖怪だったのだろうか。
いやいやいや。
その前に俺様、結構やばいかも。
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続きが気になる、と言ってくださる方が何人かいらっしゃったので、とりあえず小ネタをちょこっと。
30分くらいで書けるだろうと思ってたのに、1時間かかりました。
予想って伸びるものですね。
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